生活習慣病はなぜ増え続けるか(1)  2010.12

エボラのような悪玉微生物の台頭のよる難病が続出したかと思うと、病院内での感染が問題になったりしています。特に、最近は病院や学校などでの結核集団感染が増えています。現代医学がめざましく進歩しているというのに、なぜ病気が増えるのでしょうか?このことは、国民一人一人が真剣に考える必要があると思います。「誰か、専門家が解決の方法を見つけてくれるでしょう」という他力願望的段階はすでに通り過ぎたようです。

何故かといえば、解決方法は我々一人一人の日常の生活なかにあるからです。それに気が付いたら、直ちに改善の方向に行動を開始すべきなのです。1992年、日本の厚生省に相当する米国国立衛生研究所(NIH)内に代替医療事務局が設けられました。その後、ハーバード、コロンビア、スタンフォード大学をはじめ、10の大学に代替医療研究センターを設置しました。これは西洋医学一辺倒に対する疑問視が行政の方針となって現われ始めていると考えているとよさそうです。

日本も国をあげて西洋医学一辺倒であり、西洋医学以外考えられないという意見が大半を占めていると思われますが、世界的に見たら、西洋医学のシェアはわずか30%なのです。残りの70%の人々は、中国医学をはじめとする多くの民族、民間医学が主流なのです。ご存知のように、西洋医学(西洋文明)の根本思想は「人間の理性は自然を征服できる」という点にあります。そして、ものを微視的、分析的に捉え、論理性を重視しています。

ですから、検査により、目で確認できなければ「何でもない」「年のせい」「太りすぎ」というような診断結果になるわけです。治療は、血圧が高くなれば血管を拡張して血圧を下げる、腫瘍があれば切除するか放射線照射する、痛みがあれば、薬品で神経を一時的に麻痺させるような事を行います。これらは対症療法といって、血圧を下げる原因、腫瘍ができた原因、痛みの生じた原因を根本的に治療しているわけではありません。いつの日か、また同じ症状が再発する可能性があるわけです。

生活習慣病はなぜ増え続けるか(2)

今、ある人が病気になったと仮定します。この病気が本人だけに原因があり、急性病的あるいは外科的疾患であれば、西洋医学により、その危機をさけることができます。しかし、それが慢性病であったらどうでしょう。たとえば、アトピー性皮膚炎や痛風であったとしましょう。これらの原因は血液の汚れにあると言われています。血液の汚れは何が原因かというと、一つは食物や食品添加物の影響であると考えられています。また、家族、会社を含めた生活環境によるストレスの影響も考えられます。

ですから、慢性病は広く総合的に対処していかなければならないということになります。また、薬草の乱取による悪玉微生物台頭等の生態系の異変、農薬散布による善玉微生物の死滅など自然界の摂理に反した行為を行うことにより、病気の発生が考えられます。しかし、これらの行為は文化的生活の向上を図るために行うので、病気の発生は避けられない情況にあり、人類はどちらかの決断をせまられています。戦後、西洋文明の流入と同時に日本人の食生活は大きく変わりました。

牛豚肉やチーズ、バターなどの乳製品は絶えず食卓に置かれ、ウィスキーやウォッカなどの強いアルコール飲料も簡単に手に入るようになりました。ところが、これらの飲食材料は、西洋人向けのものであって、決して日本人には適していなかったのです。以前、当ニュースに記述しましたが、日本人は西洋人に比較して腸の長さが5メートルも長いので、肉食が多くなればなるほど、腸の中に腐敗物やガスが発生します。その結果、腸や血液が汚れることになります。

また、乳児のときに持っていた乳糖分解酵素は大人になると少なくなります。特に日本人は少ないといわれています。ですから、乳糖を主成分とする乳製品を食べれば食べるほど腸は汚れることになります。さらに、日本人はロシヤ人のような度の高いアルコールを分解する強力な酵素を持っていません。それなのにウォッカなどを飲むことによって胃腸や肝臓の働きを悪化させているわけです。私は、腸の悪い方が健康相談にこられたとき「肉と乳製品を3週間だけやめてみたらどうでしょう」と助言することにしています。

生活習慣病はなぜ増え続けるか(3) ~五白の常識に問題~

成人病の原因は、ストレス、アルコール、タバコ、食品塩化物、薬など、いろいろ挙げられますが、一番大きな原因と言われているのが食事がらみの原因で、全体の40%以上を占めているそうです。自然界に存在する食品は通常混合物ですが、食品の中には人工的に精製した物もかなりあります。純度の高い食品が体内に入ると生体は異常を感じ取り、何らかの反応を起こします。これは、医薬品全般にも言えることですが、ダウン症状といって細胞の働きを狂わせ、健康に重大な影響を与えます。

具体的に注意すべき食品に塩、砂糖、白米、カルシウムの四白が挙げられます。塩には、自然食品と塩化ナトリウム(99.9%)がありますが、後者は薬品と同等と考えなければならないでしょう。自然食塩は必ずしも高血圧の原因とはならないことが、一般的に知られてきました。また、砂糖には黒砂糖から白砂糖までありますが、白砂糖は精製された「蔗糖」でして、これは理科実験室の薬品棚に並べても少しもおかしくないものです。白砂糖の過食で生ずる疾患はここに書ききれないほどあります。

白米も玄米を高純度化したものと捉えることができます。玄米を水に浸しておくと発芽しますが、白米ではしません。白米は種としての生命力が劣っているだけでなく、栄養的に極めて偏っています。カルシウムは純度の高いものを採ると、一時的に血液中のカルシウム濃度は上がりますが、その後急激に減少し、記順濃度値に止まらず、生体の骨からカルシウムを強制的に引き出して人体を異常状態にもたらします。もう一つの一白は牛乳および牛乳製品です。

牛乳は高純度物ではありませんが、牛乳を大量に摂取している国ほど骨粗鬆症の患者が多いのはなぜでしょうか。常識とは全く逆で、変な話なのですが事実なのです。米国では国会でも議論され、今年になって、「栄養食品」から牛乳を外す法律まででき、牛乳離れが急速に始まっているようです。詳しく知りたい方は、直接お聞きください。

生活習慣病はなぜ増え続けるか(4)

「子供が登校時間になると腹痛を起こす」「過去に脳梗塞で倒れた日が近づくと頭痛がして血圧が上がる」「下手な運転手の助手席に座っていたら、胃が痛くなってきた」「人間関係で悩んでいたら、生理が止まってしまった」「今回は車同士の小さな接触事故であったが、過去に起こした大きな事故のときと同じ症状になった」など、心の動きが肉体に変化を与える例を挙げれば、枚挙にいとまがありません。心のストレッサー(ストレスを引き起こす原因)には、将来不安、恐怖、脅迫、絶望感、ねたみ、親の愛情不足、人間関係、はずかしめ、各種マイナスイメージなどいろいろ考えられます。

ストレスがかかっている時は、血管が収縮し、筋肉が硬結している状態ですから、気、血液、体液が流れにくい状況下にあります。こんな状態を長時間続けていれば、自律神経、免疫系、内分泌系などに狂いが生じても全然不思議ではありません。そして重要なことは、ストレスが潜在意識の深部にまで影響すればするほど、身体への影響は大きく、これが慢性化すると、いわゆる生活習慣病に進展するということです。

ストレスのない世界はありませんから、ストレスは当然受けるとして、それが潜在意識の深部にまで入力されたものと考え、クリーニングすることが、生活習慣病の予防になるわけです。すなわち、『潜在意識のクリーニング』は毎日歯を磨くような感覚で、一日一回は行う必要があります。ストレス以外で生活習慣病の原因と考えられるものに『思い込み』があります。思い込みには、二つのケースが考えられます。

一つは、ある病気の先入感を持って自覚症状を思った場合、先入感に合った事実だけが記憶され、他は無視される結果、先入感どおりの病気ラベルが本人に添付される『ラベリング効果』です。そして、もう一つは、病院の検査数値がでると、それを自分の身体に当てはめてしまい、いつのまにか数値通りの病人に仕上がっていくという『刷り込み効果』で最近増加しているようです。

人体組織のモニターテレビ  2010.08

このような表題を見ますと、誰もが胃カメラ、エコー、MRIなどを想像することでしょう。ところが今ここで述べようとしていることは、私達の体表面近くにモニターテレビが明らかに存在しているということなのです。WHOも承認し、世界的に周知されているものに「ツボ」があります。体内臓器も含めて人体組織の様子は活性化をはかることは、古代より数千年来行われてきております。また、足の裏や甲、手のひらや甲などには反射帯というものがあり、これも内蔵その他の組織の状況を反映しています。

このことを利用して人体組織の自然治癒力を引き出す方法が「リフレクソロジー」です。さらに、人体の骨格筋も内蔵と関連しています。この筋肉を反射筋として筋肉テストすることにより、内臓の異常をチェックし、発展してきたのが「アプライド・キネシオロジー」です。このように人体組織の情報は体のあらゆる所に反映されており、それを検査することにより、病気予防に役立てたり、施術方法として利用されています。最もモニターテレビ的なものは「アイリドロジー(虹彩分析学)」でしょう。

アイリドロジーは欧米で発展し、百年以上の歴史があります。アイリドロジーは目の虹彩(茶色い部分)に現れている紋様から、人体組織の強弱や疾患に対する抵抗力などを分析する手法です。虹彩は指紋と同様に、一人一人違います。虹彩は人体組織各部と神経によって繋がっており、身体内部でおこっている状態は虹彩の文様に現れています。例えば、腸の下垂、癒着、内部の汚れまで分かるようです。これらの方法は病気を見つけるのではなくて、組織の状態をみるものですから、現代の医学に取って替わるものではないのですが、病気予防に非常に役立つと思われます。

医学がますますミクロの世界に入っていくの悪いとは言えませんが、マクロの段階で異常を究明し、処置できることが、あまりにも多いような気がします。

ホリスティック的健康観

「貴方は健康ですか」という問いに対して「この間、検査をしてもらって、どこも異常なしと言われた」というような答えがよく返ってきますが、そういう方の内には、数ヵ月後に倒れたり、神経痛や不眠症になったりする人がいます。私達が健康かどうかを判断するとき、自分の判断に自信のない場合は、いろいろな医学検査を受けることになります。そして、医学検査で異常なしと出たならば、安心していつものライフスタイルに戻り、生活を始めてしまいます。

それは、「異常なし」イコール「健康」と解釈してしまうからです。ところで、異常がないということは、現在の医学の範囲で単に病気ではないということであって、医学検査は健康であるかどうかの検査ではないわけです。すなわち、病名が付けられないだけのこともあるのです。私共は東洋医学的見地から、病気とは体のひずみととらえています。東洋医学的検査により、体がどのようにひずんでいるのかがわかったとき、気の滞りの情況が判明します。

気の滞り方によって症状が異なるのですが、それに対して病名を付ける必要がありません。ただ、バランスよく気を流せば良いわけです。そして、再び気が滞らないように、気功などいろいろな技法でセルフコントロールし、人間を全体的(ホリスティック)な健康観を以て望むという方向に持っていきます。ホリスティック医学では、ライフスタイルのなかで十の因子を挙げています。これらは病因となりますし、同時に健康因ともなります。

すなわち、「食事」「運動」「疲労」「環境」「体質」「心理的ストレス」「人間関係」「性格」「成長段階」「思想・考え方」です。そして、たんに病気を否定すべきもの、治ればそれでおしまいというふうに捉えるのではなく、病気を自分への「警告」としてとらえ、人生のプロセスの中で病気をたえず「気づき」の契機として、より高い自己成長をめざすような疾病感が望まれています。

飲食と開運

ウェストミンスター寺院に埋葬されているトマス・パーは103歳を超えたとき、私生児を産んだ女性から子供の父親だと訴えられ、それが事実であることを自ら認めました。彼は生涯、農夫でしたが、そのあまりの長寿ぶりに国王が興味を持ち、その秘密を探ろうと彼を宮殿に招きました。153歳でパーが死ぬとチャールズ王は死体解剖を命じました。パーは慣れぬ王室のぜいたくな食事に耽溺したせいで「急性の消化不良」を起こして死んだという。そして、その内臓器官は全て完璧な状態で、特に腸は若者の器官と遜色がないと報告されていたそうです。また、江戸時代の水野南北は『開運の極意』(発行「大見屋」)に次ぎのように述べています。

  • 人を占うのに、まずその人の飲食の様子を聞いて、それによって一生涯の運・不運を判断したところ、万人に一人の失敗もないことがわかり、人の運命は全く飲食一つであると確信し、これを私の相法の極意と定めた。
  • 酒や肉を多く食して肥え太った人は、一生涯、出世発展することがなく、つつしまないと晩年不幸せである。
  • 自分が後々、立身出世しようと思うならば、まず第一に食を減らして厳重に定めること。これが出来る人は必ず立身出世をし、できないひとは生涯、立身出世の見込みがない。
  • 命のある間はどんな人にも運がある。朝早くから起きて、毎日の仕事に精を出し、その上、飲食をつつしんで怠らなければ、自然に天理にかなって運は段々開けてくる。これを開運という。
  • 飲食をつつしんでいると、心も体も健康で、気が自然に開けてくる。気が開けると運もそれにつれ開けてくる。決して誤りはない。先ず3年つつしんでみなさい。パーにしても南北にしても消化器の機能を重要視していたように思われます。現代人は皆、消化もしくは排泄の機能不全に陥っていると言われていますが、食習慣とライフスタイルが腸の障害を起こし、それが万病の元になっているという意見もあたっているかもしれません。

遺伝子異常

両親はB型とO型なのに子供がA型、ところがDN鑑定では間違いなく実子。こんなケースが2年前、大阪医科大学鈴木広一教授らの研究で見つかっています。ABO式の血液型は赤血球の抗原で決まるそうですが、その抗原を決めるのがA、B、Oの三つの酵素です。そして酵素の遺伝子は両親から受け継いだものを一つずつもっており、酵素の遺伝子では

  • A型は「AとA」または「AとO」
  • B型は「BとB」または「BとO」
  • O型は「OとO」
  • AB型は「AとB」

となります。このうち一つずつ子に伝えられ、両親のどちらかがAかAB型でなければ、A型は生れません。そこで今回の場合の酵素遺伝子の配列を調べたところ、子供のA遺伝子は、母親の「BとO」の遺伝子が組み換えを起こしたものと分かったそうです。しかも、このような組み換えはかなりの率で起こることも確認されたそうです。また、気功治療を受けた患者本人が、治療の前後で血液型が変わってしまったという事実も報告されています。

これは、治療によって異常が生じたというよりも、反対に正常化されたとも取れます。また、別の情報では、水道水で育てた金魚には多くの奇形が生じており、豚の精子奇形率は、5~6%が普通であると言われています。以上の事実から推測して、悪い生活環境により、生殖細胞が汚染し、その汚染が遺伝子の組み換えを起こし、異常事態が発生したと考えられないでしょうか。いずれにしても、重要なことは、先天的にも後天的にも遺伝子は組み換えし得るということです。

塩分の摂りすぎは体に良くない?

熱中症の原因に塩分不足が指摘されています。「医者、看護師、栄養士、薬剤師など皆が塩を控えなさい」と言うのは今や常識となっています。しかし、皆がそう言うようになったのは、ごく最近のことです。そもそも、この情報の発端は「日本の食塩摂取量と高血圧の発生率」および「1953年、米国ネーメリー博士のラット10匹の高血圧実験」なのですが、両者を後で詳しく調査した結果、塩分の摂取量が多くても高血圧にならない市町村が多く存在すること、白米が関係していたこと、アラスカでは塩分を多く摂っている人がいるのに高血圧が少ないこと、ラットの実験では高血圧にならなかった6匹のことは全く無視されてしまったことなどが判明したのですが、時すでに遅く、情報の流れはとめられなかったのです。

日本の減塩運動の始まりは1960年、以来およそ半世紀。結果はどうなのか? 高血圧患者は減っていません。逆に、塩分量低下が引き起こす体温低下は、様々な疾患の原因になるとの指摘もでてきました。問題は実験に使用した精製塩(Nacl純度99.5%)にあったのです。精製塩が悪いということを塩が悪いということになってしまったのです。重病人に注射するリンゲル液は1%の塩水ですし、胎児が育った羊水は塩水です。塩が体に悪い訳がないのです。

生命の活動、特に胃酸の原料として、また神経の刺激伝達、PHの調整と体液浸透圧の維持、新陳代謝、栄養素の代謝などに塩は欠くことができません。実際に体液の塩分濃度が低下すると、逆にむくみ、冷え、根気が続かない、ドライ・アイ、視力が落ちる、足がつる、すぐ鼻血がでる、めまい、息切れ、寝つきが悪い、低体温、痛風、糖尿病、不整脈、低血圧、高血圧、おもらし、ボケなどのような症状の原因となっていることがあるようです。

高血圧のひとが減塩しても80%の人には無効だということ、むしろ、天然塩に変えることによって血圧は下がったということが最近言われだしました。精製塩に比べて、天然塩は体外への排泄時間が非常に早く、しかもKの多い野菜やアルギニンを多く含む海藻を一緒に摂ると、Naの排泄を更に早めることも知られています。血液中の塩分濃度は0.85~0.90%が適正であり、次のような状態だそうです。

血色がよい、快活、動作がキビキビしている、声が大きい、スタミナがある、集中力がある、疲れが翌日に残らない、あまり風邪をひかない、暑がりで冬に強い、手のひらがいつも乾いている、冷たい床に入っても足を布団の外に出してしまう、寝つきがよく熟睡、睡眠時間が短い、朝早く自然に目が覚めて、その瞬間から頭が正常に回転する、快食、快便、二日酔いしにくい、甘い菓子がきらい。

就眠直前と目覚め直後  2010.07

毎朝1時間の散歩、玄米主食で野菜中心の食事、補助食品の摂取、健康器具による疲労回復、温厚な性格等、どうみても模範的健康生活を送っている方なのですが、朝起きたとき頭痛があったり、吐き気がしたり、胃が重かったりして体調が悪いため、相談に来られました。まず、東洋医学的に全身を検査しました所、かなりのストレス症状でした。しかし、本人は首をかしげ、「ストレスを受けるようなことは何もない」と確信を持っておっしゃいました。

「ストレスは、無意識に受けていることも多く、むしろその方が病気の原因になっている場合が多いのです」と申し上げた所、さすがに驚いた様子でした。そこで、具体的に生活している中で無意識にストレスを受ける可能性を探っていきました。まず第一に寝ている間に受けるジオパシックストレスが考えられますが、これは、他の原因が全て関係がないことが分かってから検討することにして、どうも就眠直前のわずかの時間に原因があるようでした。

その方は、寝床に入ると必ずといって良いくらい「いつも心配していること」「今日一日のことで反省すべきこと」「将来の不安」などを思いめぐらすそうです。実は、就眠直前は、脳波でいうα波やθ波が強く現れる時間帯であり、潜在意識の奥深くまでオープン状態になっています。ですから、この方は毎晩、潜在意識に不安、心配、悲しみをイメージしていることになるのです。

潜在意識のマイナス情報は自律神経系、免疫系、内分泌系の機能を乱しますので、夢見は悪いし、朝起きても血圧が上昇気味で、気分がすぐれないのは当然なのかもしれません。また、布団に入ってからアイデアがでやすいので、仕事のことを考える習慣になっているサラリーマンもいますが、アイデアがないと、ついつい仕事のマイナス面をイメージしてしまうようです。これも身体の状態をくるわせます。このことは、目覚め直後も全く同様の傾向ですので、今日一日のことについてマイナスイメージで考えるのは避けたいものです。

メンゲン反応

過去に何度か当ニュースに載せたり、整体のお客様にもその都度説明をしているのですが、実際に直面した場合、迷いを生じやすいのがメンゲン(瞑眩)反応です。メンゲン反応は好転反応とも呼ばれており、食事療法、健康補助食品、ハリ、マッサージ、整体、アロマセラピーなど自分の自然治癒力で治そうとする過程で、強弱の差はありますが、必ず生じます。細胞内の老廃物や体内に滞留していた「瘀血」が一気に排出されたり、病変を起こしていた大量の細胞が処分される結果、一見症状が悪化したようになります。しかし、これは一過性であって、細胞が新しく変化するにしたがって消失していきます。私共での実際例を挙げましょう。

  • ストレス性の慢性病の方のなかには、一晩に5回の下痢に見舞われた人、バケツいっぱい位の便が出た人がいました。
  • 慢性頭痛の方で、39度の発熱が三日間続き、大量のウミがたまった大きな吹き出物の出た人がいました。
  • 全身疲労・不眠症の方は、施術の翌日体がだるくなり、16時間も眠り続けました。
  • 胃の悪かった人で、胃痛、吐き気を訴えた人がいました。
  • 婦人科系病気が良くなる前に、ジンマシンがでました。
  • 血糖値が200台の糖尿病患者は一時的に300台まで上がり、二日後100台まで下がりました。
  • アトピーの例では、正常であると思っていた部位に新しく発疹が現れるなど、いずれは病的変化を起こす下地ができている部位が予定より早く表面化することもありました。

以上のような事を聞きますと大変な事態に至るように思えますが、薬の副作用や病気の悪化と比較して全く異なる点は、本人は意外に元気であり、顔の表情も明るいことです。前期の39度の熱を出した主婦は、いつものように洗濯をし、車を運転して当プラザへ施術に来たぐらいでした。しかも、重病の方なら、反応が大きいほど回復は間近である場合が多いのです。

瘀血

東洋医学に「瘀血」(おけつ)という言葉があります。西洋医学的に表現すると「血管内で静脈血が粘性を増し、鬱血している状態」と言えるでしょう。人体のいろいろな部位に生じますが、特に腹部にたまることが多い傾向です。この瘀血は便秘、下痢、生理痛、胃病など万病の原因の一つに挙げられており、これを取り除くことは東洋医学の主たる目的であるとまで言われております。主な治療方法は漢方投与ですが、効果がでるまで日数がかかっています。

一方、手技療法では10~20分で取り除くことができます。しかし、この瘀血の問題は、何らかのケアをしなければ、体の環境状況次第では再び生じてしまうということです。そこで、どうしたら瘀血無しの状態でいられるかということになりますが、私は幾つかの簡単な方法をおすすめしています。一つは「腹式呼吸をできるだけ多く行うこと」です。腹式呼吸は横隔膜を上下運動させ、血液循環を促進させたり、自律神経のバランスを維持するように働きます。

ところが、こんな簡単なことでもなかなか継続できないのが実情で「今日も忘れた」というようなことが多いようです。次におすすめしているのがカラオケです。人前では決してカラオケをやらない方針の人もいますが、現在、カラオケブームも下火状態ですので、一人で部屋を独占しても歓迎してもらえます。腹式呼吸を使ってカラオケをすると呼吸法と同じ効果が得られます。特に、長いフレーズで、ゆっくりとしたバラード、演歌、追分やその他の民謡などは効果があります。

しかも、声帯の上下運動は腹部に微振動をもたらし、瘀血防止の他、気を全身に循環させる結果、脈拍が下がり、リラックスしてきます。そして、なるべく大きな声で歌うことは、平素自分を主張できない人にとって最高のストレス解消になります。また、歌に感情をこめることによって心身症の予防や治療に効果があったという話はよく聞きます。呼吸法もカラオケもやらない方にはどうしたらよいかというと経を読むことをおすすめしています。特に、般若心経を2~3回の息継ぎで読んでみてください。何か得られます。

色彩の効用

人の自律神経には交感神経と副交感神経があり、前者は車のアクセルのようなもので、興奮したときや活動的な時に活発に働きます。一方、後者は車のブレーキに相当し、リラックスしたり、非活動的な時に働きます。たとえば、気分が沈滞して落ち込んでいるときには、交感神経が働くように環境を変える必要があります。色彩に関して言えば、波長の長い色、例えば赤系統の色彩は気分を高揚させ、活動的にしむけることができます。

逆に、精神的に覚醒状態で、気分が落ち着かないというときには、副交感神経が働くように周囲の環境を変える必要があります。色彩に配慮するとすれば、青色のような波長の短い色は気分を落ち着かせ、リラックスさせることができます。それでは、リラックスしているような状態で、青色の光を照射したならば、どのようになるのでしょうか。私達の体験によりますと、自分の外部に向いていた意識が方向を変え、内部に向いていき、潜在意識が活性化する状態になるようです。

フィクションの世界でも、狼男が狼に変身したり、かぐや姫が月世界に帰るのが青い光の満月の晩であったということは、潜在意識の実現力と短波長が密接な関係にあると考えてよさそうです。私達は、良い方向に変身でき易いように、当ビル四階のシステムバスの室内を昼色光から青色光に変えられるように設備しております。潜在意識の力で希望通りに変身できるか否かぜひおためし下さい。また、整体の施術を希望する方の中で、落ち込んでうつ状態にある人は、例外がないと言ってよいくらい黒色か灰色の衣服を着ています。

施術の効果がでない限り、衣服のカラーを変えようとはしません。かつて、自分自身の変化を感知し、病気から脱出できると思っていた方に、「もっと明るい色の服を着てみたら」と言ったところ、次に来館したときには目のさめるような真赤なオーバーコートを着てきて、従業員をびっくりさせたこともありました。色彩の選択に関して「好み」と「身体の効用」を考慮しますと、生活に「より豊かさやうるおい」をもたらすようです。

植物の驚くべき状況判断力  2010.06

過去、何回かのハーブブームがありましたが、その都度一部の人々の需用に終わったようですが、今、またブームが盛り返した感があります。これは、大発展を遂げた健康食品業界の自然療法の効果を十分理解した人達が、同じ考え方を食品以外にも適用できないかと関心を向けて来たことも一つの理由かもしれません。たとえば、「健康食品を食べただけでお腹いっぱいになり、ご飯が食べられない」と嘆く女性もいるくらいですから、少量で効果のあるものに関心を向けるのは当然かもしれません。

西洋医薬の利尿剤はむくみのある人にはもちろんのこと、水分の不足している人に対しても利尿作用が働いてしまうので、脱水症状を起こしかねないと言われています。しかし、植物の利尿効果は、水分の多い人にのみ働き、水分の不足している人に対しては、反利尿効果として働きます。すなわち、人の体の状況に応じて作用が変わってくるわけです。また、西洋医薬の解熱剤は、急激に熱を下げる力はあるのですが、なかなか元気がでず、回復が遅れるということがよく言われています。

一方、植物による解熱効果は直ちに下げることもありますが、逆に熱のピークと思われる体温までいったん上がり、その後一気に熱が下がることもあります。すなわち、その人の状況を察知し、未だ細菌が多数残存しているような場合は、白血球の戦いやすい温度まで体温を上げ、細菌が死滅してから始めて熱を下げるというような人の体に合った治し方をするわけです。病院の健康診断結果の数値で右往左往するよりも「毎日、体のことは植物に聞いておこう」という考え方が根底にあるのではないでしょうか。

体質と日本料理

西洋文明が猟銃民族または騎馬民族から発生し、一方、東洋文明は農耕民族から生まれたものとする考え方にはあまり異論はないでしょう。しかし、東洋人の腸の長さが西洋人のものと比較して4~5㍍長いこと、東洋人の成人には牛乳の主成分を分解する酵素が、非常に少ないこと、ロシア人のように強力なアルコール分解酵素を東洋人は持ち合わせていないことなどは意外に知られていません。

ですから、東洋人が西洋人のまねをして、アルコールを浴びるように飲んだり、食材として乳製品をふんだんに使用した西洋料理をたくさん食べるほど、体が何らかの危険信号を発しても決して不思議ではありません。また、西洋文明のうちで代表的な西洋医学が驚くほど発展しているのにもかかわらず、成人病が年々増加している現在、西洋料理偏向の食生活を見直す必要があるかもしれません。

私達はスポーツを開始する前に、筋肉や骨の動きをならす準備運動をします。しかし、食事の前に同じ筋肉からなる胃腸の動きをならすための準備運動はなにもしておりません。胃腸は神経的に非常に敏感でストレスを受け易い器官であるというのに、これでよいのでしょうか。いよいよ宴会のシーズンになりましたが、宴会料理で一番初めに出てくるのは「前菜」です。前菜は仕事や考え事に向けていた神経を鎮め、胃腸の活動を促すために食べるものですから、少量をゆっくりと食べ始めるのが行儀作法のようです。

食材も胃腸にやさしく、鎮静作用のあるものを自然に近い味で調理して出します。このように日本料理は準備運動からスタートします。また、甘いものを食べると血液中のブドウ糖濃度が増加し、それをキャッチした脳は、食欲を減退させるように働きます。逆に塩辛いものは食欲をすすめます。甘辛くて濃い味は、塩分で食欲をすすめ、糖分で食欲減退させるのですから、神経伝達回路は混乱状態に陥ると考えられるわけです。一般的に日本料理が薄味なのは、人の感性を重んじ、心と相談しながら調理していくからなのかもしれません。

気の原則から景気を考える

日本経済は未だに危機状態から脱することができません。年頭に当たって気の側面から日本経済に対する私見を述べたいと思います。「経済」とは元々「経世済民」の略語であり「世の中をおさめ、人民を救う」という意味なのだそうで、正に「政治」そのものなのです。政治次第で経済はどうにでもなるということになります。また「景気」の「景」とは「風情、おもむき、心の動き、心のようす」ということになります。

ですから多くの人々の「気に対する考え方」を意識変革することによって「景気」は変わり得るということが言えそうです。気のセミナーや施術の実践を通して痛切に感じるのは、「気に対する考え方」について、一般の方だけでなく、多くの書籍の記載内容をみても、誤解されているということです。気は本来、意識に沿って作用するものです。ところが、中国が唯物論を揚げるようになってから、気を物質としてとらえる傾向が強くなっている気がします。

例えば「気はどんどん取り入れ、溜め込みなさい。そうすれば貴方は元気になるでしょう。」ということを教えている気功教室もあります。あげくは「気を他人にあげれば、自分の体力が消耗してしまう」「他人から悪い気をもらうと病気になる」などと言われているのも物質中心の考え方から導きだされた誤解です。実際に、一生懸命気功教室に通ったり、気功治療をうけて、「気を溜め込む」ことをまじめに実践している方に限って体調が悪いのです。

そういう方の気の測定を行いますと、気がアンバランスであり、自律神経の失調、浮腫、お血などが生じています。取り入れた気は時間がたてば体内の老廃物により徐々に汚染されていき、それを溜め込んでいれば体に良くないことは誰にでも推測できるでしょう。私共は「全脳エネルギー変換法」という気のトレーニング法を提唱してきました。一言で表現すれば「体から気をどんどん出しなさい。そうすれば力強い気がどんどん入ってきます。

外界から気を取り入れても、意識を使ってすぐ体外に出しましょう」ということになります。これは、気を外界から取り入れたり、出したりする出入り口の抵抗を絶えず極力小さくしておくことが重要ですということを実践する方法です。すなわち、気を体内にためて、汚しているよりも、絶えず気を外部に出して、活力ある新鮮な気が自然に流れ込んでくるような器にしておけば、気の必要ないざという時に、必要なだけ体内に取り入れることが容易です。

しかも、意識だけで、取り入れられることができるようになります。毎回「気のセミナー」の最終日に、修了者には、一人一人発気の実践をしていただいておりますが、100%の確率でマスターできています。元皇太子妃、ダイアナは心が満たされないとき「多くの人に愛を与えていました。実はそれは他人から与えられていたのです。私は多くの人の心の女王でありたい」と述べていましたが、この愛こそ気そのものなのでしょう。さて、本題に戻りましょう。

景気が悪いということは、気の出入り口の抵抗が大きく循環していない状態です。誰もが取り入れる(収入)のことばかりしていれば、気は停滞し、逆に気を出す(支出)ことによって他者に影響し、気が動き始めます。しかし、将来に対して不安がある限り、誰も出そうとはしません。将来にプラスイメージ(政策)が描ければ誰でも支出できるでしょう。かつて「英国病」と言われた時代は、高所得者になればなるほど、効率の税を課した結果、勤労意欲は減退し、国の活力向上が停止していましたが、サッチャー首相の改革後、能力のある者は他人に与え、外部に出すということを始めているそうです。

今、日本では、与えることのできる能力ある人が与えなくなってきています。多くの人に与え、外部に出すことのできるエリート、能力者は育ちません。これは、歪みの生じた平等至上主義に沿った政策である限り、難しいことなのかもしれません。以上、気の原則から言えます事は、個人個人が意識を変えて、他人に対して、少しでも「与える、出す、使う、考える」ことに傾注しますならば、意識と物質の循環還元により、全体の活力は向上することになります。

赤信号は原因ではない  2010.05

頭、肩、脊、腰、膝などが痛くなりますと、通常はその痛い部分を揉んだり、押したりして和らげようとします。これは、治療師でも素人でも行うでしょうし、医者となれば、その部位に注射をしたり、手術を施すことになります。しかし、数日たつと揉んだ所が再び痛くなっている場合があります。これは、痛んでいた所は単なる結果であって、本当の警告すべき原因が別の所にあるということをしめしています。

抽象的な表現では理解しにくいと思いますので、N式総合整体療法の考え方の一部をご紹介いたします。腰痛のとき、腰を揉んでも痛みがとれるどころか逆に痛みが増す場合さえあります。実は、腰は、身体のどこか重要な部分の危険性を叫んでいるのであって、本当の原因は、たいてい胃腸や他の内臓、上肢、下肢、肩などにあるのです。また、肩こりの主原因は、手指の使い過ぎにある場合が多く、それは、各種機器のオペレーター、TVゲームに夢中の子供、編み物に熱中している主婦、たくさん執筆する人など例を挙げたら、枚挙にいとまがありません。

すなわち、原因は表に現れないで、他の部位に「痛み」として、赤信号を灯す傾向があります。ガンも同様に身体の赤信号と思われます。ガンは全身の非常事態を表現しているだけであって、ガンが悪いのではなくて、ガンを生じさせたものが原因としてあるはずです。それにもかかわらず、赤信号に放射線を浴びせ、取り壊して、突き進むことが行われています。身体の叫びである赤信号が無視されれば、いずれ生命の交通事故は生じるでしょう。我々は、赤信号を青信号にする努力をすべきであり、それが成功した実例がたくさんあります。

人間に無駄な臓器はない

今まで、盲腸炎や扁桃腺炎になると、「人体にあまり影響しない臓器だから切ってしまいましょう」ということになっていましたが、「簡単に切ってはいけない。ガンの原因になる」ということをよく聞きます。本当のところ、どういう理由で、また実際のところ発生率はどのくらいなのか不明な部分が多く、それに関する記事を探していたのですが、やっと入手できましたので、ご紹介したいと思います。

何号か不明なのですが、数年前の『週刊現代』の記事の中に「盲腸を切るとガンになる」という見出しがありました。そこには「米国リング大学のビャーマン教授がガン死亡者を病理解剖したところ、乳ガン60例中37人、卵巣ガン119例中100人が盲腸を切除していた」「カルフォルニアのガン研究所・バイバーマン所長もガン患者100人中盲腸切除者は87人いたと報告している」と記載されていました。

この理由として「盲腸はリンパ組織の多い器官であって、よく知られているようにリンパ免疫機構のなかで重要な役割を果たしています。これを切除すると抗体生産能力が阻害され、ガンに冒されやすくなる」ということを述べています。また、「胆石や胆嚢炎のため、胆嚢を切除すると、胆汁酸の代謝に異常をきたし、腸内細菌のバランスが崩れる。このため、発ガン物質や発ガン促進物質の生成と腸壁への取り込みが容易になることが考えられ、大腸ガンになりやすい」という説もあるようです。いずれにしても、人には、無駄な臓器など無いと思っていて良いようです。

全てほどほどの原理

百歳位のお年寄りが、うまそうにタバコを吸っている映像をTVなどでよく見かけます。タバコは「百害あって一利なし」と言われていますが。本当なのでしょうか。私たちは数年前、タバコを吸ったとき、体がどのように変化するかを気の測定器AMIを使用して実験したことがあります。その結果、タバコを吸う人は気が増大し、交感神経が昂揚してくることが分かりました。すなわち、喫煙は体をリフレッシュする効果があると言えるでしょう。

その後、いろいろな文献を調査しました所、大変なことがわかって来ました。まず、一つ目はアルツハイマー病を改善するということでした。ボケの発病に関していえば、一日20本以上たばこを吸う人は、全然吸わない人の2分の1という結果もありました。また、ニコチン吸着シートを皮膚に貼ったところ、記憶力が改善したという医学的データもあったのです。さらに驚いたことは、難病のパーキンソン病患者を喫煙有無別に調査したデータでは、喫煙者は非喫煙者の2分の1程度しか発病していなかったということでした。

パーキンソン病というのは、やる気を出す物質であるドーパミンが減ってしまう病気なのですが、ニコチンが血液中に増加してきますと、ドーパミンを分解する役目であるMAOBという体内酵素が40%近くも低下してくるということなのです。すなわち、タバコはやる気を維持するに役立つわけです。しかし、「タバコは悪い」と思いながら吸っている人は当然ドーパミンの分泌が少ないでしょうし、やる気もそれなりの程度でしょう。食品、嗜好品を問わず、おいしいと思ったら、とりすぎないで、ほどほどに撮るのがベストのようです。

場の浄化

三重県四日市市仏教会が「友引」の日に葬儀を行わない習慣や「清め塩」を使用する習慣は仏教の教えとは関係なく、このような「死者をけがれたものとする」誤った考えにつながる習慣は改めるよう広く働きかけていくことを決めました。理由もわからないまま「悪いと云うことを無理にやることもあるまい」として疑問を持たない方が国民の大半でしょうから、このアピールは行政の運営にも影響してきます。

友引の本来の意味は「敵味方がともにひき退き、引き分けで勝負なし」という日なのであって「死者が知人を道連れにし易い日」と解釈されているのは、確かに首をかしげざるをえません。昔、誰かある有名人が言い出したことが俗信になったものと考えられます。一方、「清め塩」の廃止に関しては、異論があるでしょう。仏教会は、「死者のけがれを清めるための習慣」として理解しているようですが、むしろ、葬儀の参列者が無意識に発する邪気を正気に変えていることの方が重要な意味をもっていると思います。

すなわち、過去の死者への思いが、参列者個々の心に浮き上がり、場合によってはマイナス感情による邪気を、知らない間に発している者もいるかもしれません。こんなとき、どうしても場の浄化が必要となります。この事は、相撲の土俵上で死闘を繰り返す度毎に塩ではらい清めていることを考えれば理解できることです。土俵上は自分と相手の「死闘」というマイナス感情による邪気で蔓延しているはずですから。

同じようなことが、醸造酒の蔵の内外や地鎮祭でも行われています。この時には塩ばかりではなく、酒も同時に使用して浄化しますが、土地建物だけでなく、参列者の心身から発する気も浄化します。因に、神道の葬儀の祭壇に供物はと云えば、塩、酒、米、さかき、活魚などであり、いずれも邪気の場を正気の場へと浄化する物ばかりなのです。

自然の法則に逆らう信号  2010.04

「肩や腰が痛い」「指が痺れる」「膝がガクガクする」「頭痛が続く」「目が疲れる」など、相変わらず半健康人が増加しています。これらに対して、現代医療では薬や手術で治療を行いますが、それは、それなりに利用すべき緊急時もあることでしょう。しかし「熱が出たら解熱剤で下げる」「白内障になったら水晶体レンズを替える」「ヘルニアになったら軟骨を削る」「腫瘍があれば切除する」などのように病気をその局所の問題としてのみ捉えることが「病を治す」ことになるのでしょうか。熱が出たり、血圧が上がったりするのは、それなりの理由があるはずであり、熱や血圧をただ「下げる」ことが重要なのではなく、「上がらないような元の体にする」ことが重要なことであると思います。

また、ガンであれば、「切除する」ことが重要なのではなく、備わっているガン抑制遺伝子が機能しなくなった原因を究明することが重要なのではないのでしょうか。ご存知のように現代医療は西洋医学を基礎においており、西洋医学の根本思想には「人間の理性は自然を征服できる」という考え方があります。また、ものを「微視的、分析的に捉える」という論理性を重視しています。しかし、人は小宇宙の自然の法則にさからっても健康でいられるでしょうか。

また、意識の働きを無視して、身体を分析的に理解できるのでしょうか。むしろ、人体の病気は局所的な問題として捉えるのではなく、全身の歪みの結果として捉えるべきではないでしょうか。半健康人の症状は、命にかかわる病気にならないように気づかせるための赤信号であり、自然の法則に反したことを行っていることを知らせてくれているのではないのでしょうか。もし、病院に行って「この病気は治らない」「年だから仕方がない」「検査しても何でもない」などと言われたら、あきらめずに、東洋医学的観点からも病気を見直すべきです。

牛乳製品

「乳製品は成人病やガンの原因となる」ということがうわさされていますが、本当なのでしょうか。現在、日本では牛乳および乳製品は秀れた栄養源として重視され、医師や栄養指導者は病人に対して、たくさん摂取するように指導しています。後藤邦汎氏によれば、今から20年ほど前、米国のマクガバンは「ガンや成人病の大きな原因の一つは牛乳、ヨーグルト、クリーム、バターなどの乳製品の過剰摂取である」と指摘しています。

このことは、牧畜業者の反発によってウヤムヤにされたそうですが、日本ではあまり知られておりません。その後、全米科学アカデミーは、発ガンを抑制するプラス食品と発ガンを促進するマイナス食品を発表し、後者のほうに、牛乳と乳製品をあげています。これは、家畜を育てる段階で、農薬や他の薬剤を大量に使うので、その影響があるとも考えられます。ところが、農薬など一切使用しない植物で家畜を育て、その乳製品を多量に食べているモンゴルでは、早死が多く、しかも97%がガン死ということです。

すなわち、牛乳の高脂肪、高蛋白、高カロリーが、病気の原因であるというわけです。日本ではガン患者に対して「ガンと闘え」とよく言っておりますが、戦う相手が違うのではないでしょうか。「誤った常識と、それをウヤムヤにする社会と闘え」と言い換えるのが、ガン撲滅につながるような気がします。

減塩

何年か前に、当欄で「減塩の疑問」について述べた記憶があります。しかし、「塩分控えめ」という言葉は今なお健康雑誌やTVで医学専門家が当然の常識のように話しておられます。それでは、胎児が用水という海水に近い塩水の中で、スクスクと育つのはなぜでしょう。人が危篤の時に注射するリンゲルは濃度1%の塩水ではないですか。私たちは、病院の指示で塩分を極度に制限され、体力の弱った患者に対して、ことの事情を納得するまで説明し、自らの決断でもっと、たくさんの塩分を取ることを実行しました。

その結果、高血圧症の人は正常値に戻り、透析予定の腎臓病患者は腎機能を回復して透析を行わないで済み、また、長年ムクミで苦しんでいたものは、1週間で3㎏の体重減量とともにムクミが消失しました。医学の専門家でない患者がすぐに実行して治せることをなぜ病院は行わないのでしょうか?病院の減塩食で病人はますます老化するばかりです。また、1985年、米国国立ガンセンターのデヴィタ総長は米国議会において「発ガンの最大の原因とガン死の最大の原因は①手術 ②薬害 ③検診である」と証言したそうです。

そして、現在米国では検診は義務づけていないようです。これらの事実を日本国民で知らない人の方が多く、関係機関も旧態依然のままです。まず、米国において、なぜこのような結論に至ったのかを理解する必要があるのではないでしょうか。

北まくら

「北枕」に関する知識については、皆さんもう既によくご存知かと思い、掲載する予定に入れておりませんでしたが、初めて聞くという方が意外に多いので、再度ご紹介させていただくことになりました。人は死ぬと必ず頭を北方に向けて寝かされることから、北枕は縁起が悪いということで、いつの世からでも忌み嫌われていました。しかし、北枕にして寝かせる本当の理由は、古来より死人が生き返った例が多々あるからであり、死後少なくとも一晩は北向きに寝かせて、蘇生を念願したわけなのです。

また、仏壇や神棚は南向きのものが多く、必然的に人は北に向かって祈る形になり、そこでお辞儀をすると、気の取り入れ口である頭頂が北を向くことになります。さらに、家相上では、北は「主の座」であると言われ、重要視されてきました。地名でも、上町、上落合、上宿、上手、上の家などと呼ばれている地名は北方に位置しており、上流を意味しています。これらの事実を総合して判断すると、北方からは生命力を非常に活性化させる何かが流れてきているということが推測されます。

そう、それが磁力線なのです。地球はそれ自体大きな磁石であり、北から南に向かって磁気が働いています磁気は自律神経を活発にし、生命力を向上させることを古代の人々は気づいていたのです。しかも、すべての中枢である脳の部分より、磁気を入れることが一番有効だったというわけです。逆に、南向きに寝れば脳神経の病気に、西向きで寝れば高血圧に、東向きに寝れば低血圧になると言われている国もあり、北枕が最善の方法ということには変わりはないということになります。因みに、私は40年以上、北枕で寝ております。

自らを「きる」  2010.03

ふつう、「プッツン」と「きれる」のは脳波がベーター波からガンマー波になっており、全くの興奮状態を指しますが、別な意味でも使用されています。講演会で話している時の講師やステージで歌っている時の歌手に後光がさす時があります。後で本人に聞いてみますと、まるで自分が話したり、歌ったりしているような感じがしなかったと言います。この状態を「きれる」と言うのだそうです。同じようなことが気の訓練をしている時にも起こります。

心身医療では、これを「変性意識状態」と呼び、思考を司る脳の新皮質の働きが抑制されて、自律神経やホルモン分泌を受け持つ脳幹や視床下部の働きを活発にできるのだそうです。また、変性意識状態では気をコントロールすることができると言われており、自然治癒力や他の潜在能力を高めることが可能です。そして、この時、脳波はアルファ波からシーター波の状態にあり、まるで瞑想している時に現れる脳波と同じなのです。

この事実を逆に考えますと、瞑想により、人は自律神経やホルモン分泌を調整することができたり、気をコントロールすることが出来るということになり、それが優秀な人材を生むということにもなります。もっと突き詰めて考えますと、その道の達人ほど無意識領域から情報を取り入れているということが言えそうです。

小海さんのパワーの秘密

以前、エスパワービル五周年を記念して、11月2日、シャンソン歌手、小海智子さんのサロンコンサートが開催されました。小海さんは、午後7時から歌い始め、途中30分の着替え時間をとっただけで午後9時まで、18曲を精力的に歌い続けていました。しかも、声量は落ちることもなく、逆に曲数が増えるごとにパワフルに歌い続けていました。小海さんの年齢は誰も知らないのですが「銀パリ」全盛時代からステージに、立っているということですから、それなりの年齢でしょうし、小柄でしかも痩せ気味です。

いったいこのパワーは何処からくるのでしょうか。「プロは歌い込んでいるからちがうんだ」と言われると普通の方は納得するかもしれませんが、気をトレーニングしている方にとっては、非常に驚くべき不思議なことと思われたことでしょう。小海さんは「数学は全く不得手である」と言っておりましたが、シャンソンの曲は約300曲、しかも日本語とフランス語で凡て覚えているという。「なぜ、覚えられるのですか」と質問したところ、シャンソンの曲は物語として構成されており、物語のイメージと共に覚えるので楽であるとおっしゃいました。

それで納得です。小海さんは、典型的な右脳型人間なのです。気は時間、空間を越えてイメージに沿って働きます。若き時代のパワーをイメージに沿って何時でも、何処でも引き寄せる事ができるのでしょう。しかも、驚くべきことは、会場の観衆の気と小海さんの気は時間と共に大きく融合して行くようなのです。観衆と一体化した小海さんは、ますますパワフルになっていきました。これが、大衆の心を引き付けるタレントの能力となるのではないでしょうか。

心のトリックと病気

「『エスパワー』という名称はどうも怪しい」「宗教団体ではないだろうか」「そのうちお布施の請求がくるのではないだろうか」などととんでもない事を言っているタクシーの運転手がいるそうですが、何も知らない初めての人は、これを聞くと先入観をもってエスパワーを見るでしょう。「経営者が神主である」というある雑誌の誤った記事を読んだり、「霊性開発・・・」というような名称のセミナーがあれば、「やっぱり」と思ったりするのでしょう。

人間の認識というのは、非常にいい加減であり、先入観を持っていると、先入観に合った事実だけが記憶されて、合わない事実は無視されるようになります。これが「ラベリング効果」です。実は、病気の初期には、ラベリング効果のトリックがよく表れます。医者から「ガンの疑いがある」などと言われようものなら「ガンなら、顔が青く、体重が減り、疲れ易くなるだろう」「ガンなら、こういう痛み、痺れ、麻痺が出るだろう」などという先入観を持って、自分や他人の症状を見るようになります。

つまり、ガンに合った症状だけが印象に残り、誰もが有する正常な部分またはガンに合わない部分は気がつかないままなのです。そして、ガンであるかのように錯覚してしまうのです。もう一つトリックがあります。病院の検査の数値と病気の関係を絶対的に信じていると自分の症状を無意識に数値の内容に合わせてしまうことがあります。つまり、自分で気が付かないうちに、数値通りの症状に悪化していくのです。これは、病名の症状や数値の内容を信じることで、身体に刷り込まれていくわけで「刷り込み効果」と言ってよいでしょう。

この刷り込み効果は最近どんどん増加しているようですし、特に病名を付けられてから直後、その病気の一般的症状が強く表れてくるというのですから、誰かが種明かしをする必要があります。

「呼吸」のすすめ  2010.02

人間は呼吸の仕方を考えなくとも生きていけます。ただ単に空気を吸い込み、酸素を体の隅々にまで運び、炭酸ガスを排出するのが呼吸であると思っている方がほとんどです。実は、呼吸にはその人の潜在能力を引き出し、健康を維持するという重要な役目があります。ご承知のように、私たちの内臓は自律神経でコントロールされていますが、そのうち、肺による呼吸のみは自分の意思でもコントロールすることができます。

すなわち、深く、浅く、速く、遅く、強く、弱くあるいは止めることもできます。そして、昔から気功、ヨガ、座禅などでは、呼吸と生命エネルギーとの間には、密接な関係があることに気づいていました。私たちは、普通の生活に必要な空気(あるいは、必要量以下)しか取り入れていませんが、人間は本来、通常吸い込む酸素の七倍の量を取り入れる能力が備わっていると言われています。

それは、体内に眠っている最大限の能力を引き出すエネルギーとなるようです。  効果的な呼吸法を実施さえすれば、イライラを解消し、集中力・創造力・直感力・予知力が向上し、便秘を解消してスリムに変身でき、お産が楽になり、・・・と並べ挙げると、良いことづくめではないかと言うことになりますが、実は本当なのです。気功やヨガの型を覚えるのがどうも億劫でという方、まず、呼吸法から入ると目的が達成し易いでしょう。

「落ち込み」の意味

おかげさまで気功整体指導の業務も順調に進んでおります。整体といえば「肩凝り」が引き合いに出されますが、肩凝りほど原因が多岐にわたっているものはないとおもいます。すなわち、肩部分以外に根本的原因を取り除く必要があるわけです。「肩凝りですか」という質問に対して60%の人は「はい」と答えますが、残りの「いいえ」と答えた人をよく調べますと、ほとんどの人が凝りがひどくてマヒしており、体感できない状態なのです。

しかも、この人たちは過剰なストレスに全然気づいていません。気づいていない人の共通点は、まじめで責任感が強く、とことん打ち込むタイプ。優秀なので他人から頼られ、仕事を抱え込んでしまうのでしょう。このような人が不安になったり、鬱状態になると、家族や同僚に心配かけまいと落ち込んだ気持ちに打ち勝とうとして、ますます心の負担になり、不眠、食欲不振、呼吸困難などが生じたりします。

不安や鬱状態は元気な人にもあります。鬱状態になったのは体にとってその状態が必要になったからです。まず体を休めることが大切です。そうすれば、落ち込んでいても免疫機能は低下しません。また、この様なときに、栄養過剰になると好中球など免疫機能の低下を促しますので、多少の食欲不振は気にしないことです。

秘技伝授

「長年厳しい気功訓練をしなくても、数日で気が出るようになり、しかも一生有効である」と言う、ある雑誌広告を見た者がその真偽を質問してきました。これに関しては私達も十数年前に検討しており、非常に重要なことでありますので、体験を含めて私見を述べて見たいと思います。本来、人だけでなく、動物も植物も気を発しています。そして死と共に消滅していきます。文明、文化が発達するにしたがって人類は気を発し、気を感知する能力が次第に低下してきました。

恐竜の攻撃に対して殺気を感じ、天候の悪化を悪気として感じたように、生き残ろうとしてきた人類の努力も必要なくなってきました。また、病気になった時の手当という自然治癒力を放棄し、医者という専門家に身体を委ねてしまっているわけですから発気も必要なくなってしまったのでしょう。発気は気功訓練をしなくても、人間の素質(本能)として存在しているわけです。また「気がでる」という表現は「他人に影響を及ぼすような強い気がでる」という意味であれば文句はないのでしょうか。

多くの人々を救ってきた釈迦やキリストの絵を見ますと、画家の目にはっきりと気がとらえられ、描かれています。これはやはり強い、広範囲に影響を及ぼす気を発していたからでしょう。また、仏像をみても、光背という形で発気が描かれています。気の強い弱いはたしかにありますし、質の違いさえ感じられるものなのです。「一生涯有効」ということは、素質のことを表現しているのであれば当たり前のことですし、「より強い気を一生涯キープする」という意味なのでしたら、当然異論が出てくるでしょう。

文明文化が発達し、人類が発気を忘れかけたように、トレーニングなどで気を使っていないため、発気能力が落ちてきた人をたくさん見ています。これは、宇宙から気を取り入れる方法を使用しても、人間の機能としての情報伝達スピードが遅くなるからではないでしょうか。どこか「頭は使わないと悪くなる」というのと類似しています。気の性質が少しづつ、わかりかけてきた今日、広告の表現もより正確に行わないと誤解されるという他人事ではなく、我々にとっても大変ありがたい質問でした。

従来からのキャッチフレーズ「驚異の秘技伝授・・」「一瞬にして霊性開発・・」などに対して「またか」という感覚になってきているのですから、より科学的表現が要求されているのでしょう。それでは、本題にもどって、長年気功訓練をしなくても強い気が出せるかということを考えましょう。結論を先に申しますと実は、これは可能なのです。私自身、育った多くの人達をみています。これらの人達のケースを四つに分類してみました。

  1. その人が発気しなければならない情況に追いこまれた場合。
  2. 気の強い環境に身を置き、しかも、気の存在をより科学的に左脳で信じられたとき。
  3. 指導者のもとで、重要ポイントのみのトレーニングを行う場合。
  4. 儀式的に強い思い込みがあった場合などが考えられます。

突然強い気が出てきたという人の内には、自分が必死で気を出さなくてはならない情況に追い込まれたというケースがあります。過去に思い起こしてみると納得する方もおられるでしょう。例えば、身内の重病人を必死で治したいと思ったことがありませんか。自然発生的といっても必ず原因があります。

②を実施するために、エスパワーは創設されました。気はイメージと共に作用することが明らかなように、大脳の内、特に右脳が関与していると言われています。「ありえない」「信じられない」「手品の種があるのでは」などという左脳的疑問は、発気にブレーキをかけるようです。やはり、より科学的に理屈っぽく左脳で納得した時、左右両脳の合一が得られ、強い気が出てくるように思えます。

③に関してもエスパワーでは力を入れています。複雑な動作を伴った気功はすぐに飽きてしまい、長続きしません。本来、発気のための必要なエッセンスは数少ないはずです。しかも、それだけを行えば、早い人でその場で強い気が出てきます。あとは、実地で応用トレーニングを数多く行うことが重要であると思われます。

④に関しても、かつて検討したことがあり、かなりの成果が期待できました。しかし、気の性質をより科学的に調査していくにしたがって判明してきた、「人類が一時的に忘れていると思われる本能的な素質」を思い出せるだけのために、大げさな儀式を行うのは、気の知識を身につけた人々にとって幼稚に映るのではないかという懸念もあり、実施しておりません。宗教団体も含めて、世間で行われている方法はほとんどが④のケースと思われます。

以上、十分納得できる方法をえらんで気の世界へ進むべきでしょう。(鯰江)

生活に密着した気の研究  2010.01

従来、気の研究といえば、特殊能力者や気功師が発する電気的測定とか、気の送り手と受け手の脳波や生理学的測定とかが主体でした。これは研究の順序としても当然の成り行きと思われます。しかし、いまではすでに気のブームにさしかかっており、一般の人にも良くわかるような気の説明が必要です。「気は体で感じるもの」と言われてもピンとこない方はたくさんおります。私たちの教育は、戦後欧米の影響を強く受けており、合理的、分析的、数値的に理解する脳の構造となっているようです。

そこへきて、いきなり、波動を感ぜよといわれても、なかなか踏み込めない領域でもあるわけです。特に、マスコミにより、気の不思議な部分をパーフェクトに見せられても裏付けがなければ、ますます半信半疑に陥る人もいるでしょう。エスパワーでは、日常生活における人の気の変化を連続的に測定することができます。たとえば、うれしい、悲しい、安心、不安、好き、嫌い、成功、失敗などの意識は、気の働きを伴っており、実測もできます。そして、これらの意識が健康とどのようにかかわりあっているのかもわかってきました。

物の気(もののけ)と名人

NHKテレビ「ジャーナル」をたまたま見ていたところ、面白い会話が交わされていました。ゲストは有名な写真家の篠山紀信氏。対談形式の番組であって、アナウンサーが篠山氏に被写体の選び方について質問していました。「篠山さんの作品題材には、その辺にいくらでもあるような、特徴のないものもありましが、それらがなぜ傑作として多くの人から称賛されているのでしょうか」という問いに対して、「私は被写体の部分でなく、周辺を含めた被写体全体に、何か分からない不思議な力に引き付けられて、シャッターを切るのです。

しかも、対象物をねじふせて撮るのではなく、受容する気持ちで撮ると、できあがった作品に考えてもいなかったような大きな力がわき出ているのを感じます。私はUFOも霊も呼べない。この力は土地の磁場なのか、物のけなのかよくわかりません。」という回答をしていました。私は、これは、まさに被写体の気のことであると理解しました。篠山氏は、気(オーラ)が見えるとは言いませんでしたが、「受容するとよい作品がとれる」と言うのは、そこの土地、人物、建物などと篠山氏が気の共鳴(同調)しているにちがいないと思いました。この同調は名人と言われる人々に共通することと思われます。

自然の生態からの発想

読売新聞「先端・人」の欄に、養殖ザケのウィルス病治療法開発者の記事が載っていました。従来、養殖ギンザケの間で流行していたウィルス病は薬品で治していましたが、薬品に頼らずに治す方法を開発したという内容です。天然のギンザケは、春、冷たい川から暖かい海へと移動します。ところが、養殖ギンザケを飼うのは冷たい水です。そこで、飼育温度を摂氏10度から摂氏16度に上げたところ、ウィルスに感染したサケが健康を取り戻したということです。

これは、簡単のようで、過去、誰もが気がつかなかった盲点だったのです。飼育温度の上昇は、免疫細胞の機能を高め、いわゆるサケの自然治癒力を増強させるのに効果があったのです。このような「自然の生態」から学ぶ方法や自然界の善玉の微生物の力を借りて、うなぎやブロイラーなどの養殖方法も改良できるのではないでしょうか。そして、一日も早く、微量たりとも残留薬物のない食材で食事したいものです。

思いきり笑えない人へ

心理療法の一つに「笑い」があります。クライエントとカウンセラーは、治療日になると、お互いに向き合い、30分間ただ笑い合うだけなのです。また、古神道にも「笑いの行」があります。この笑い方はほほ笑む程度ではなくて、腹筋が痛くなるほど腹を抱えて大笑いするほど効果が上がります。それでは、性格上、思いきり笑えない人はどうしたら良いのでしょうか。たとえ笑えても腹が痛くなるほどの大笑いが一日に何回できるでしょうか。行う場所も気になります。

笑いによって、炎症と関係がある物質の減少が認められ、精神と免疫を関連づけて探究することの重要性が増してきますが、「笑い」イコール「免疫力の増加」と言うのは少し飛躍があるようです。当ニュース22号で報告しましたように、笑いによって気の上昇が測定され、体内経絡の気のバランスが認められました。気は免疫系のみでなく、内分泌系や自律神経系機能も活発化することがわかっていますので、大笑いしなくても、気を上昇させる他の方法を行えば効果はあるということが予想できます。例えば、ある母音の発声やイメージトレーニングでも良いですし、何といっても気に満ちた場所に少しでも長く滞在することが重要です。

恨み

体に良いことずくめの事をしていても、なかなか病気の治らない人がいますが、心の持ち方に原因がある場合もあるようです。かつて、プラスイメージおよびマイナスイメージをしたときの経絡の気の増減を測定したことがあります。尊敬・感謝・楽しい・満足などのプラスイメージでは気は上昇します。これらは、道徳上、よく教え導かれている事柄ですが、実は気を高める優れた健康法だったということになります。逆に、不安・不満・苦しい・悲しい・不快・恨みなどをイメージして気を測定すると気は下降していきます。特に「恨み」は人によっては大きく減少します。

昔は仇討ちが美談とされ、達成すると、さも幸福感に満たされるかのように思われていますが、実際は仇討する者の内臓はボロボロだったかもしれません。また、「人を呪わば穴二つ」ということは、相手を呪い殺しても、いずれ自分にも相手の恨みがはねかえってきて、自分の墓穴も掘るということなのですが、まさに気の低下を意味しているに違いありません。このような現象は現代社会でも延々と続いているようです。金・地位・名誉を重んずる物質社会では恨みが付き物ですが、どうしても真の健康を取り戻したいのなら、「恨むこと」の解消方法を考慮すべきでしょう。

自然治癒力

お釈迦様が亡くなったとき、遺体を北枕にして安置したことは、仏教国の者なら誰でも知っていることでしょう。古代中国の遺族達は「北枕は縁起が悪い。北枕はやめよう」と民衆に言っておきながら、自分達は北枕で寝ていたそうです。地磁気の方向が民衆の人体に良い影響を与え、大衆の勢力台頭という事態を恐れていたからです。国内にも類似の話があります。某製薬会社の営業部長が決して医薬品を飲まないという実話。現役時代は、ガン患者に抗ガン剤や放射線治療をすすめていたのに、いざ自分がガンになったら、それらを一切使用しないという、ある治療関係者・・・考えさせられます。

自然治癒力という言葉について、まだ知らない人が多いのは、ある言葉の審議会において、医師会の元実力者がこの五文字を削除させたという事情も原因となっているのでしょう。また、「貴方には自然治癒力があると思いますか」という質問にたいして「体力がないので」とか「としだから」というような回答が返ってきます。やはり、よく理解されていないようです。義務教育の教科書には、自然治癒力とかホメオタシスなどについて何も記載されていないでしょうが、知らないこと自体、問題になるのではないでしょうか。私たちは誰もが自然治癒力の実感を味わえるようお手伝いしています。